第7回 税理士試験対策

令和2年度(第70回)税理士試験まで、残り2週間ほどとなりました。

最後の追込みに余念の無いことでしょう。

つたない体験談を記しますが、いささかでもお役に立てれば幸いです。

私はライフプランの中心に “育児子育てを大切にする” ことを大目標に掲げていました。そんな枠組みの中に、個人目標として税理士試験を位置付けました。

会計科目を取得した時に、スタートから5年以内には税理士になれるかもしれない!と思いましたが、元来一度に多くのことは出来ないタイプでしたので、家族の節目ごとに自分が今一番やりたいことを優先していこうと決めました。そこで人生をおおまかに80年と見立てて、1/4は学生生活と会社勤め、1/4は家事育児と税理士試験勉強を並行、1/4は税理士として社会復帰、残りの1/4は悠々自適な生活!と青写真を描きました。

<受験歴>

(1985)昭和60年6月日商簿記3級2級(合格) 9月から簿財スタート

(1986)昭和61年(第36回)税理士試験、簿記論(不合格)、財務諸表論(合格) 試験会場名古屋工業大学

(1987)昭和62年(第37回)税理士試験、簿記論(合格) 試験会場名古屋工業大学

~夫の転勤と共に、幼少期子育てへの特化を決意し受験を白紙に~ 

(1994)平成6年9月より相続税法を選択再スタート(第2子が小学校入学)

(1995)平成7年(第45回)税理士試験、相続税法(不合格) 試験会場早稲田大学

(1996)平成8年1月より国税徴収法スタート

(1996)平成8年(第46回)税理士試験、相続税法(合格)、国税徴収法(合格) 試験会場早稲田大学

~子供2人の受験期(3歳違いで中学高校大学)を迎え、後の進路決定まで家事専念を決意し再び受験を白紙に~

(2002)平成14年9月より所得税法を選択再スタート(子供2人が高校大学入学)

(2003)平成15年(第53回)税理士試験、所得税法(不合格) 試験会場名城大学

(2004)平成16年(第54回)税理士試験、所得税法(合格) 試験会場名城大学

現在では考えられませんが、当時、名古屋工業大学、早稲田大学の試験会場には冷房が入っていませんでした。そのため専門学校の全統では、本番の臨場感を出すために、エアコンを切って実施していたくらいです。

昭和62年簿記論を受けた時は、11月初旬に出産を控えており、真夏の暑い日に大きなお腹をかかえて本試験会場に向かったことは今でも懐かしい思い出です。

税理士試験に合格するにはどうしたら良いのか、自分自身の能力は自分が一番知っているため、合格レベルまで持っていくためにどれだけ時間が必要なのかを逆算し、計画通りに勉強をしました。税理士を目指す受験生に計算が苦手な人はいないはずなので、決め手は理論を制することだと考え、どんなに小さいテストでも理論はほぼ完璧を目指しました。

条文自体が洗練された無駄の無い文章です。条文(理論テキスト)を正しく理解し、助詞の使い方も含め一字一句正しく暗記することが最も合理的だと思いましたので、時間を区切ってこの理論は絶対1時間で覚えるぞ!と自分を掻き立てました。暗記する場所は電車の中、子供の習い事の待ち時間など細切れの時間を活用しました。身体に染み付くほど繰り返し暗記をしたことは計算問題を解く上でも役立ちました。普段一度も解いたことが無い計算問題が本試験で出題されたとき、覚えた理論を頭で読み返して解いたこともあります。年数を経た今でも、実務で判断に迷った時の考え方の基盤となっています。とは言え、不思議と1回で受かってしまった試験の理論はほとんど覚えていません。苦労して取得した科目はそれなりに報われているのかなと納得しています。

試験1.2週間前のこの頃は、体調維持に努め、普段通りの規則正しい生活をしました。

前置きが長くなりましたが、理論・計算で心がけた点についてご紹介します。

【計算問題】

模試で似たような問題が出題された時は必ず正解できるよう、解き直しをしておきました。時間が無い時は、間違えた解答部分の赤字を目に焼き付けるようにしました。専門学校で学ばなかった問題が出題されて正解できなかったとしても、あまり影響しませんが、皆が正解した問題を取りこぼすことが合否の分かれ目になります。

【理論問題】

満遍なく覚えました。必ず合格をしたいと言う気持ちが強くなればなるほど、覚える理論の範囲が広くなりますが、重要度が高い理論の精度が落ちないよう気をつけました。タイトル(理論の柱)挙げの練習はしっかり時間を割きました。出題の意図から外れた理論はどれだけ書いても得点になりません。あとはいかに早く口ずさめるか、時間を測って確認しました。途中で言葉に詰まるということは、当日ペンが止まるということです。ただし、専門学校の最後の答練が終わってから本試験までのこの時期は、週に2日くらいは腕が鈍らないよう、書いて確認をしました。

最後に・・・

簿記論2度目の挑戦の試験当日、会場へ向かう途中で、ものすごいプレッシャーから逃げ出したくなりました。その時、ふと宮本武蔵の巌流島の戦いを思い出しました。何も生きるか死ぬかの戦いに挑むわけではない、力一杯頑張って駄目なら来年もあると開き直りができました。また、家族の写真を必ず持って行きました。試験直前、家族の笑顔を見ていると緊張が和らいだものです。

皆さんも日々多数のテーマに取組む中での税理士試験挑戦、月並みですが一層計画的に、集中力とメリハリをつけて、万全の体調で試験に臨まれることを願っています。

直前や当日の心構えについては、次回のブログをお楽しみにして下さい。

いよいよ税理士法人ブレインパートナーの代表が登場します!