第6回 税理士試験合格体験記
こんにちは。FP・相続対策部の松崎です。
梅雨が明け、真夏の暑さを感じると、いよいよ税理士試験がやってきますね。私が試験を最後に受けてからもう10年以上経ちますが、試験が終わった後の開放感と合格発表の喜び&落胆は、それぞれ季節の匂いと共に思い出されます。
私は、大学卒業後に税理士を目指すことを一念発起し、簿記のボの字も知らないまま専門学校の専門課程に入学しました。まずは簿記2級に悪戦苦闘し、簿記1級は不合格、受験仲間に助けられ、なんとか税理士試験を勉強するスタートラインに立てた劣等生でした。そんな私でも、財務諸表論で理論を勉強するようになってから、簿記の仕組みの面白さを知り、計算を解くのが楽しくなりました。税法の勉強を始めてからは、法律の勉強が楽しくて、放課後には仲間達と税法の穴や節税方法について熱く語っていました。それでも計算問題はスピードが上がらず、専門学校で受験した電卓検定2級に落ちるほどでした。そこで、税法の試験では、計算でのマイナスを取り戻せるようにと、とにかく理論に力を入れて挑んでいました。今回は、そんな理論マニアな私が実践していた理論攻略法をご紹介したいと思います。
・まずは覚えない、理解する
いきなり条文を理解するのではなくて、法律ができた趣旨や背景をまず理解することを大切にしていました。
・効率よく覚え直す方法を意識
すべての理論をずっと覚えているのは無理なので、忘れた理論をいかに効率的に覚え直すかを意識しました。試験前3日間で税法2科目の理論サブノートすべて頭に入れることを目標に、どんな方法をとればよいか模索しました。
・文章で覚えず、視覚で覚える
理論をお経のように唱えて覚える方も多いかと思いますが、私は理論サブノートをひたすら見て覚えました。見て覚えるためには、視覚的に覚えやすくする工夫が大切です。条文を分解し、3色の蛍光ペンを使い色付けすることで、文章の構成を図式化して覚えやすくしていました。具体的には、
・条文を文節に区分し/(スラッシュ)を引く。
・修飾している文節を( )(かっこ)で綴じる。
・主語と述語を紫(1番大切)、期限をオレンジ(これも大切)、並列する条件をピンク(条件の数だけ①②…とナンバリング)、と蛍光ペンで色を付ける。
これで、その単元の結論(主語と述語)、解答で抜けてはいけない箇所(期限や条件)を抑えつつ、カラフルになった理サブを写真のようにそのまま頭の中にいれておきました。
この方法で試験直前に理論を効率的に覚え直すことができていたと思います。
・アウトプットの練習
1つの単元を覚えた後には、アウトプットの練習として、必ず一通り答案用紙に書く練習をしていました。税理士試験では、とにかく早く書くという練習も大切ですね。
何より大切なのは、最後まで諦めないことだと思います。税理士試験は合格発表を見るまでわかりません。私自身、あまり手応えが無かった法人税は運良く初年度合格し、絶対合格できると思っていた相続税は合格を手にすることができませんでした。自分ができていない問題はみんなできていないし、自分ができている問題はみんなできている、だから焦らず驕らず平常心で挑むことが大切だと思います。
税理士試験の合格は一人ではできません。試験が終わったら、講師の先生、受験仲間、応援してくれた家族に、感謝の気持ちをぜひ伝えてください。皆様の合格を祈っております。